ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




春の心地いい日差しの中、電車はゆっくりと進んでいた。


比較的空いていた車内。

隣同士で腰掛けていたナオフミさんと私だけど
ふたりの間には微妙な空間あり。

人がひとり座ることのできる隙間はないけれど
お互いの腕や太ももが触れ合う密着した状態でもない。


そんな微妙な空間。

現在の私とナオフミさんの関係のような
微妙な感じ。


そんな私の隣では
時々、電車の振動とは異なるリズムでナオフミさんの首は大きく揺れていた。


病院とかの公の場所では決して見ることはできないであろういつも完璧な彼が垣間見せた“スキ”。

眠っている彼の横顔はやっぱりキレイな顔をしていた。



相変わらず忙しいんだね
ゆっくり横になって休ませてあげたい

でもきっとそれは無理そうだから
せめて今ぐらいは
頭が揺れないように肩でも貸して・・・・







だめ、ダメッ!

そんなコト・・・・




ナオフミさんにもし恋人でもいて
その人に誤解なんかされちゃうと
彼に迷惑かけちゃう


でも、忙しすぎて
恋人とかいないのかな?



でもでも、3年も恋人がいないなんて
そんなこと、あるハズないよね?

ナオフミさんぐらいの男の人を周囲の女性達は放っておくはずがないだろうし



あーーー

ナオフミさんの彼女
どんな人なんだろう?



キレイな女性かな?
カワイイ感じの女性かな?

それとも

ワタシみたいに天然系なのかな?

ワタシは、自分では天然系なんて思ってないけれど
真里や千佳にはずっと天然だって言われてる
大学院の同窓生の達也クンには”心配です”と言われるぐらいだし



そんなコトはどうでもいい
あー妄想、トマレってば!!!!!



せめて今は、彼の眠りを妨げないように

でもでもでも、
彼のカノジョさんが誤解したら・・・・







ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・・・・



「間もなく堀田口、、堀田口です。」



ガタン、、ゴトン、、、、、、ガタン、、、、、、、ガ、、ガタン!!!!!


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