ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


白衣を纏っていてもはっきりとわかる彼のガッチリとしている左腕。
そんな彼に掴まれた私の右手首。

・・・・私の手首で拍動している脈の、尋常ではない速さが
・・・・私のドキドキ具合が

彼の左手を介して伝わってしまいそうで



・・・・今でもスキという気持ちが伝わってはいけないと思えば思うほど
・・・・ドキドキよ治まれと思えば思うほど

私の心臓の鼓動は乱れる一方。



身体の一部だけが彼と触れているだけでも
こんなにも自分で自分がコントロールできなくなるなんて・・・








“行くぞ、伶菜!!!!!”って



一度は私のことを“一生、大切にする”って言ってくれた彼

そんな彼が今からどこへ連れて行ってくれるんだろう?






でもそんなのは愚問






彼が差し伸べてくれた手を自ら離してしまった私

そんな私を迎えに来てくれた彼だけど

この先行き着く先はもう・・・・そんなの決まっている



彼と私は



・・・・・・ただの同僚という関係になるのだから






だからドキドキなんかしていられない


今までみたいに彼に甘えちゃいけないんだ



ひとりで

自分の足でちゃんと地に立たなきゃ・・・・








『あの、私、ひとりで歩けますから・・・だから、手を離して下さ、、、キャッ!!!!!!!』







グイッと前へ引っ張られた私の右腕。
その勢い余って電車のドアレールとホームとの隙間に足を取られてしまった私。


”ヤダ、転ぶうーーーー///”

あまりにも突然なハプニングに叫び声すらでない私。




駅のホーム。
太陽がかなり昇ってきていた午前10時半。


私はひとり、駅のホームでみっともない姿をさらした
・・・ハズだったのに








「ひとりでなんて、言うなよ。」


『・・・えっ?』









「もうひとりでなんて、言わないでくれ。」


『・・・ナオ・・・日詠せんせい?・・・・』








私はスッポリと収まってしまっていた。

爽やかかつちょっぴり甘酸っぱい香りの中に。



ダイスキだった彼・・・・ナオフミさんの腕の中に・・・・・













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