ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来







ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、ドクッ、、、、、






彼の腕の中で真っ赤になった私の右頬から伝わってくる鼓動。


いつもはクールな彼なのに
彼らしくないような
かなり早いリズムが刻まれていた。

私の鼓動とシンクロしそうなくらいのリズムで。


そんな彼が
こんなにも近くにいるなんて

今度こそ自分で自分がコントロールできなくなりそう・・・・







でも、もし彼の恋人とかにこんな姿を見られたらどうしよう

そしたらまた彼に迷惑かけちゃう



それだけは・・・・・しちゃダメだ






今度こそ彼には
ちゃんと幸せになって欲しいから









ガバッ!!!!!!





『日詠先生の、カノジョさんとかが・・・・誤解しちゃいますから・・・』





だから私は
そう口にしながら
彼の両腕からするりと抜け出した。


更に心の奥深くに
やっぱり彼がスキという想いを沈み込ませながら。


それが
彼にとって、そして私にも最も適切な選択だから。





グイッ!!!!!





『えっ??!!!!!!!!!』





それでも再び掴まれた私の腕。
しかも今度は両腕を。

さっきよりも更に力強く。






「・・・・ったく、誤解。」


『えっ?!』




私の顔を真正面から覗き込む彼の瞳は
私の両腕を掴んだ力と同じぐらいの力強さを放っているような気がして。

動揺を隠せない私。



でも、そんな私の目の前で彼は


「誤解してるのは、お前な。」


ちょっぴり困ったような顔しながらも、彼らしい優しい笑みをこぼした。




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