ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
その直後。
『お前・・・・』
アイボリーカラーのバスタオル1枚だけ体に巻きつけた姿の伶菜が俺の目の前に立ち憚った。
スイートルームの出入り口のドアの前。
そこを照らすクリーム色の灯りによって、よりくっきりと浮かびあがる彼女の鎖骨のライン。
バスタオルに隠しきれずに剥きだしになっている白い肩。
少し寝癖が付いたままの柔らそうな髪の毛先。
そして
かすかに揺れているこげ茶色の大きな瞳。
『お前・・・・』
今すぐ、ここで抱きしめたい
強く強く抱きしめたい
ずっと想い続けた女が
着飾ったりすることなく
素に近い姿で立っていたら
そう思ってもおかしくはないだろ?
でも、今、本能のままに動くことができない状況
だから、俺の本能を掻き乱す彼女から目を逸らすしかない
「お兄ちゃん・・・」
そんな俺の目の前で肩を震わせながら、不安そうに俺を呼ぶ声を聴いたら、もうどうしていいのかわからなくなりそうだ
でも、自分がこの後、どうしたらいいのかを考えなくてはならない
『・・・カラダ、、冷えちゃうだろ?』
だから、まずはどうにかなりそうな本能を頭の奥深くに沈みこませ、自分の体で抱き締めてやるのではなく、バスローブというモノを彼女に羽織らせることで彼女の体の震えを取り除いてやるように動いた。
俺の手によって肩が露出していたバスタオル姿から肩までスッポリと被われたバスローブ姿になった伶菜。
恥ずかしがり屋の彼女
いつもの彼女だと、こういう状況では顔を真っ赤にして俯くところだろう
でも、目の前の彼女は恥ずかしがることなく、まっすぐに俺を見つめ、どこか俺の様子を窺っているように感じる
不安そうに眉を下げたかと思えば
視線を外して、目を強くつむって顔を歪め、何か思い詰めているような様子を見せる
こういう時の伶菜は危ない
不思議な妄想とかをしていたりすることが多いから
また、女医、薬剤師、看護師。OLとかお経のように言い並べたりするのか?
そんな内容なら笑ってよしにできそうだが、
彼女に我慢させたり、不安にさせたりするようなことを言い出したりしないかが心配だ
彼女は自分よりもまず他人に気を遣う傾向が強い
だから、助けを請う入江さんを無視するような真似ができない
そんな気がする