ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース30:お姫様抱っこで初出勤?!


【Reina's eye ケース30:お姫様抱っこで初出勤?!】



今日は初出勤の日。
それなのに、配属先が急に変更されたのは1時間ぐらい前のこと。
その後、なぜか約3年ぶりに再会したナオフミさんにお姫様抱っこされたまま、駅の改札口に向かう階段を移動している。


夢のような今

彼の香り
彼の温もり

それはどれだけ時間が経っていても
私が知っている彼のままで

彼が階段を1段1段降りる度に私の身体もふわりふわりと揺れ、もうどうしようもないぐらいの心地よさを感じていた。




「伶菜、切符、出して。」



耳元から聴こえてきた彼の声もなんだかくすぐったくて・・・

私は顔を火照らせながら右手に握られていたやや皺が寄っている切符をグッと握り締めた。


どうやって駅員さんに渡そっか
しかもこんな格好で

でも、なんかずっとこのままでいたい
だってあまりにも心地が良すぎるから・・・・



「どうされました?・・・・急病ですか?お客様、私がそちらのお客様をお運びしますので・・・・」



甲高い声を上げながら、駅員さんらしい人が声をかけてきた。


はあ~
やっぱり駅員さん来ちゃった

せっかく心地いい感じなのに・・・




しかも私、駅員さんに急病人と思われた?!




「大丈夫ですか?お客様」



若い男性駅員さんの顔も近付いてくる。

ちょっと近いっ?!










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