ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
いかん、いかん
ナオフミさんに抱っこされてる状態なのに
しかもついさっき
“心理士よりも、やっぱりナオフミさんのお嫁さんになりたいです!!!!”
って声高らかに告白したばかりなのに
私ってば、目の前にいる駅員さん
若くてイケメンだな~なんて思ったりして・・・
いかん、いかん
とりあえず否定して
駅員さんに顔を遠ざけてもらわなきゃ
『違』
「大丈夫ですよ。」
駅員さんとは対照的に冷静な口ぶりで応答したナオフミさん。
「でも、この後、なにかあっては、そちらのお客様だけでなく、お客様にもご迷惑をかけてしまいますので。」
駅員さんはさらに甲高い声を上げながら、ナオフミさんに抱きかかえられている私の肩と膝の下にその腕を差し込み、ナオフミさんから私を受け取ろうとした。
ああ
ヤだ・・なんか大事になってきそう
しかも駅員さんとはいえ
見ず知らずの、しかも若い男の人に抱きかかえられるなんて
それはやっぱりマズイ
私にはナオフミさんという人がいるんだから・・・
『違うん・・・・』
「迷惑・・・迷惑かけて欲しいぐらいです。もっともっと。大切な人だから・・・」