ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




「どうぞ、お入り下さい。」


ドア越しに聴こえてきた穏やかそうな女性の声。


『し、失礼します。』



ついさっきは堂々と挨拶してみせたのに
いざ中へ入るように促されたら自然と声が震えた。





ガ、チャッ・・・



ドアノブを回す右手も震えた。
ドアはなんとか開けられたが、今度は足が竦んだ。



目の前には長テーブルを囲むように5人の白衣を着た女性達が座っている。
そのうち3人はスクラブにパンツの看護師さんのような白衣を着用していて
あとの2人はワンピースの白衣に身を包んでいる。



机の上には深緑色のぶ厚いファイルとペットボトルのお茶。
壁に掲げられていたホワイトボードにはやや殴り書き気味の黒色と青色の文字が並ぶ。


どう動いていいのかわからない私。
そんな私の横をナオフミさん、いや日詠先生が静かに通り過ぎ、長テーブルの空き椅子にゆっくりと腰掛けた。







「日詠先生、彼女ですか?」


日詠先生の隣の席に座っている私と同世代位のワンピースタイプの白衣姿の女性が鋭い視線を私に送りながら彼に小さな声で尋ねた。
彼女ですか・・・と・・・・。




「ええ。そうです。」


やや強めの口調で問いかけられた日詠先生は涼し気な顔で即答。




彼女、カノジョ

カノジョ?!


顔が勝手に火照ってしまう
カノジョって

しかもそんなに堂々と・・・・

でも、なんかアウェイな感じがするのは気のせいなのかな?



「高梨さん。到着早々申し訳ないけれど、産婦人科の看護師長にどうしても早急にあなたとお話がしたいって頼まれているの・・・・師長、今日夜勤明けだから、今すぐにでもって言ってたから、早速、今から病棟に向かってくれるかしら?」



日詠先生に声をかけた白衣姿の女性とは異なる50代ぐらいの穏やかそうな雰囲気の白衣姿の女性が顔を紅潮させていた私を不思議そうに見つめながらそう声をかけてきた。




こんな赤い顔じゃ

ナオフミさん、いや日詠先生との関係がバレちゃいそう

っていうか
この病院、社内恋愛とかアリなのかな?

っていうか病院だから社内恋愛じゃなくて院内恋愛?!





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