ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
恋愛の呼び方なんてどうでもよくって
今でもこの病院内で注目され続けているであろう日詠先生・・・そんな人と恋人同士?!みたいな関係になるかもしれないなんて
どうしよう・・・
過去には同居していた関係だから今更だけど
どうしよう・・・
「高梨さん、大丈夫?体調、優れない?」
自分の世界に入りこんでいた私を気遣ってくれた50代くらいの白衣姿の女性。
『あっ、大丈夫です。すみません・・・私。』
「臨床心理室室長の早川です。宜しくね♪」
声をかけられても返事をしていなかったという非常識な私を責め立てないどころか、サラリと自己紹介をしてくださったその人は私の直属の上司になる人らしかった。
『宜しくお願いします。』
その女性の醸し出す穏やかな雰囲気のせいか、不思議とさっきまでの緊張がすうっとひいた私は丁寧にお辞儀をしながら挨拶することができた。
「そういうことなので、早速、産科看護師長のところへ行ってくれるかしら?福本さんっていう人だから。産科病棟の場所、わかるかしら?」
『ハイ。大丈夫です。行ってきます。とりあえず失礼します。』
そう返事をした後、今度は会議室にいるスタッフの皆さんのほうに頭を下げ足早に会議室を後にした。
福本さん
久しぶりだ
ホントしばらく会ってないなあ
ナオフミさんから離れてしまったから
彼に近い存在の福本さんにも会いにくくて・・
でも急ぎの用ってなんだろう?
そんなことを考えながら会議室のドアを閉め、産科病棟に向かって歩きだそうとしたその時だった。
「伶菜ちゃん♪」
福本さんが凄い勢いで私のほうに駆け寄ってきていた。
なんだかニヤリと意味深な笑みを浮かべながら。
『お久しぶりです。福本さん。今からそちらにお伺いしようかと思っ』
ガシッ!!!!!!
『ふ、福本さん?!』
強く掴まれた私の右腕。
『あ、あの?』
「いいから、いいから。」
福本さんは相変わらず怪しい笑みを浮かべたまま腕を強く引っ張りながら会議室のドアに耳をくっつけた。
『福本さん?!早急の用事があるって・・・』
「伶菜ちゃん、しー!!!!これが用事なんだってば」
福本さんは顔をクシャクシャにしながら口元で人差し指を立て、私に口をつぐむように合図した。
「ククク、ナオフミくんのリアクションがさ、凄く楽しみでさ・・・」
『えっ?』
ヒソヒソ声で楽しそうに話してくれる福本さん。
「だって、こんなことやらかしたアイツの言い訳、聞きたいじゃん?いや、言い訳じゃなくて記者会見みたいになるかもよ~」
『こんなことって、福本さん、それって』