ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「久しぶりに妬けたわ。あなた達をみていて。」
『福本さん?』
「想い出したわ・・・・・高梨先生と詩織さんのコトも。彼らもこんな風にこの病院の患者さん達を救うシステムを築き上げてた。」
『お父さんと・・・お母さん・・・?』
「ダブって見えるわよ。彼らとあなた達。・・・・・高梨先生に憧れてた私のココロがジリジリしちゃうくらいね。」
嫉妬の言葉を口にしながらもやっぱり母親のような穏やかな空気を醸し出していた福本さん。
彼女のその言葉は最高の褒め言葉にしか聴こえなかった。
産科医師だったお父さんと病棟保育士だったお母さん
産科医師のナオフミさんと臨床心理士になったばかりの私
いつかお父さんとお母さんみたいに
出産に不安を抱く妊婦さんや障害を持って生まれてきた子供を支えたい
可能であるならば・・・・私を救い、支えてくれたナオフミさんと一緒に・・・
そう思ってきたから
彼らと私達がダブってみえるという福本さんの言葉は
・・・・最高の褒め言葉に聴こえて仕方がなかった。
そのきっかけを作ってくれたのは
・・・・・ナオフミさん
3年前
私を私以上に理解してくれて
私が成長するのをじっと待っていてくれた
・・・・・ナオフミさん
そしてこれからはきっと
彼と一緒に歩みながら
もっともっと私は成長できる
こんな幸せなコトは
今、このチャンスを逃したら
もうやってこない
彼がくれたチャンス
もう絶対誰にも譲っちゃダメだ
ガチャッ!!!!!!!
『誰にも譲れません!!!!!!!このチームのメンバーという立場も、、、ナオフミさんのお嫁さんという立場も!!!!!!!!』
私は勢いよくドアを開けて
目の前にいる遺伝相談チームの人達の前で堂々とそう宣言してみせた。