ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース32:私の誓いと彼の誓い


【Reina's eye ケース32:私の誓いと彼の誓い】





「えっ?・・・高梨さん?」


「ナオフミさんって、誰?」



勢いだけで再び足を踏み入れた会議室。
そこにいた遺伝相談チームの皆さんの前で後先なんて考えることなく声をあげた私。

一瞬の沈黙の後、会議室内はザワついた。



私、“ナオフミさんのお嫁さんという立場”なんて言っちゃった

こんな公の場で・・・・



ナオフミさんはこの場で
私が必要と言ってはくれたけど

自分のお嫁さんとして必要とは言ってなかった



せっかく一緒に働くことができそうだったのに
どうしよう・・・



「伶菜、おまえ・・・」



ナオフミさんもやっぱり呆れたモードっぽい
彼が作ってくれたチャンスなのに・・・


せっかく彼が私を取り戻しにきてくれた?のに

あれ?取り戻しにきた???




だったら

私もチャンスを取り戻しにいけばいい



でも嘘はつきたくない

だって、目の前にいる人達は
きっと私を成長させてくれる人達に違いないから



だから正直に自分をさらけだす

きっと受け止めてもらえるから


だってナオフミさんが築き上げたチームなんだから


それを信じて私は

ただこの勢いのまま・・・その中に飛びこんでいけばいい

きっと・・・・






『もう・・・なにがあってももう誰にも譲れません!!!!!!!!幸せだから!!!!!!!ナオフミさんがダイスキだから!!!!!!!!陰口でも靴隠しでも、どんな嫌がらせでも何でもコイって感じです!!!!!』







・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・




はあぁ
誰も反応しない

やっぱりダメだったか

というか

私、何、言ってしまったんだろう




あーーー

もうこのまま消えてしまいたい


もうなかったコトにしてもらいたい


せっかくナオフミさんに再会できたけど




はあぁ~

次の就職先
斉藤教授、一緒に探してくれるかな?




祐希と一緒に教授の大好物の塩豆大福持って遊びに行ってご機嫌でも取ろうかな











グイッ!!!!!!!!!!





「そういうコトらしいんで・・・皆さん、彼女をよろしくお願いします。どうか一緒に一人前の臨床心理士に育ててやって下さい・・・」





頭の上から聞こえる優しい声。
私の全身をふんわりと包む穏やかになる香り。


こんな場所なのに

こんなふうに抱きしめられたら
変なドキドキが止まらないよ・・・・




「こういうコトなので・・・・・とりあえず連れて帰ります。」



ナオフミさん

つ、連れて、帰る・・・?!






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