ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



「りょうくん・・・・“はわい”ってなあに?」


「ゆうくん、ぼくもわかんない。ゆうくんのパパなら知っとるやらあ。」


「そっか・・・・ねえ、パパ、“はわい”ってなに?おいしいの?」



ボールと共に行き交う言葉達。



「そうだな、飛行機に乗れるようになったらわかるかもな。」


「ボク、ひこうき、のりたい!」


「ゆうきくん、ボクも♪」



爽やかな春風の中、ゆったり流れる時間。

そんな愛しい時間の中、再びあの青いパズルが・・・・・

私の父の手作りのあのパズルピース達が頭の中でピタッと組み合わさった。


“naofumi“と“reina”そして“your baby”と刻まれたパズルピース達が・・・




その瞬間、私はグイグイと胸が揺さぶられた。

今度は私が頑張る番だ・・・・と。



『りょうくん、ゴメン、今から祐希かりるね♪』



「いいよ、もうおひるねのじかんだから。せんせいにいっとくね。ゆうくん、かえるよって。」


「りょうくん、またあしたね♪」


「うん、ばいばーい」



りょうクンは笑顔で青いボールを横に大きく振った後、教室のほうへ駆けて行った。



それをちゃんと見届けた私は右手で祐希の、左手でナオフミさんの腕を引っ張りながら走って園庭を飛び出した。


『ナオフミさん、車の鍵、貸して!!!!!』


そして今度は私が運転席に座り、ナオフミさんと祐希を乗せ、車を発車させた。


どこへ行くのか行き先も告げることなく・・・・





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