ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
『そういうコトらしいんで・・・皆さん、、彼女をよろしくお願いします。どうか一緒に一人前の臨床心理士に育ててやって下さい・・・』
恥ずかしさなのか
やってしまったという後悔からなのか
小さく背中を丸めてしまった伶菜をつい背後から抱きしめてしまった。
俺まで ”やってしまった”
さすがに視線が痛い
でも、今日で終わりじゃない
今日からなんだ
まずは
今日1日で色々あった伶菜を立て直してから
仕切り直しだな
『こういうコトなので・・・・・とりあえず連れて帰ります。』
俺のこの発言に高梨さんも連れて帰るのか?と驚く中谷さん。
彼女だけでなく、伶菜も俺の腕の中でビクリとしている。
遺伝相談チームは俺の大事な仲間
この人達には知っていてもらってもいいだろう
いや、知っていてもらいたい
俺の大切なパートナーは伶菜であることを
だからさっきの伶菜に負けないぐらいはっきりと・・・
『彼女がせっかくその気になってるのに、今を逃すと今度はいつチャンスが巡ってくるかわかんないので・・・・3年前にも逃してるし、俺・・・』
へっ?と素っ頓狂な声を挙げた伶菜に構っている暇はない
「油断してるとどんどん魅力とか増してくから、危なっかしくて・・・」
情けないことを言っても
カッコ悪くても
「なので、今日はこれぐらいで勘弁して下さい。ちゃんと先輩として指導しておきますから。」
俺は今日
全力で伶菜を手に入れにいく
”公”の伶菜も
『あと、中谷さん。』
「はい?」
『彼女のフォロー、頼みます。こんなふうに暴走しちゃうこともあるけど、なんせ一生懸命なんで・・・・・』
「ふふ、日詠先生からの直々のお願いは断れないですわ。悔しいけど、彼女面白そうだから面倒とかみてもいいかも。イジメがいがありそうですしね♪」
『ははは・・・じゃ、よろしく。』
”私”の伶菜も
欲しいものは自分で獲りに行かないと得られない
そんな想いを駆り立てさせるのは
人生でたったひとり
『ほら、行くぞ!』