ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


“覚悟な”・・か

昨日、同じ言葉を投げかけられたような気がするんだけど


しかも

『これが消える前の、これって?』

私は彼の口から出てきたその言葉の意味が微妙にわからなくてボソッと呟く。




「知りたい?」

『う、うん。』



気のせいか挑発してるように見える彼の目と
かなりビクビクしている私の目が
見事にぶつかる。


その瞬間、目を逸らした彼。

そして、


「こういうコト。」




ガサッ!!


私の左鎖骨の下をかすめた彼の唇。


ということは・・・



『ああっーーーー!!!』


私は彼の唇がかすめたその箇所を指でなぞる。
ベッドの傍にあるルームライトから照らされているオレンジ色の光を頼りに目を凝らしてみるとかすかなピンク色の跡・・・アリ。


『コレ・・・』


コレって、き、キスの跡だよね?

っていうコトは、さっき、お兄ちゃんの言った “続きをちゃんともらう” って





「そういうコト。」


私の驚きぶりが相当おもしろかったのか、彼は少年のような屈託のない笑顔を覗かせながらそう言った。


こんな笑顔
診察室ではみれないそういうギャップとか
ズルい

私、今のやりとりで、またカラダ中が熱くなっちゃったっていうか


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