ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


ザクザクザクッ・・・
 ・・・・・サクサクサクッ・・・・


そう心に誓いながら、会いに来た人を探すために歩いていた砂利道。
俺の後ろには伶菜がいて、
俺の前からは突然転がって来た青色のボール。


「ボール行っちゃった!!!!!!!!」

「ボール・・ボール・・・・」

「あっ、あのおじちゃんがひろった!」


近くにある保育園児と思われる2人組の男の子が俺のもとに駆け寄ってきた。
一生懸命にボールを追いかけてきた彼らに愛おしさを感じる。
それと同時に感じたのは

「ゆうくん、おじちゃんにありがとっていおう!」

「そうだね、ボール、ありがと・・・・おじちゃ」

2人組のうちの、ボールを受け取ろうと両手をめいいっぱいに自分のほうへ差し出しながら俺を見上げた際に目が合った男の子の異変。


3年も離れていた
まだ乳児らしさを残していた彼が
幼児らしい元気いっぱいな男の子になっていた

この小さな手で
伶菜を必死に守ってくれていたのだろう

伶菜を守っていてくれたキミを
これからは俺が守る

それを今、
キミに知って欲しい




『大切にする・・・キミとキミのお母さんを。』





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