ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
ナオフミさん
ゴメン・・・
やっぱり泣くの・・ガマンできない
アナタのココロの強さ、わかってしまったから・・・・
哀しくて泣いてるわけじゃなくて
嬉しくて泣いてるって
今度こそ弁解しなきゃいけないのに
また嗚咽が上がって
やっと家族がわかりあえた今
心配とかかけちゃいけないのに
アタシってば・・・
「ママ・・・ねむい・・・」
『えっ?祐希、眠い?』
突然、私の泣き顔なんかお構いなしの祐希が足元に駆け寄ってきた。
「ボク・・・さきせんせいとねたい!」
『えっ、でも、帰らないと・・・』
眠さのあまりグズりかける祐希をなんとかグズらないように抱っこしかけたが
「おろせー!!!!ねえ、いいでしょ、さきせんせ」
祐希は両足をバタつかせ、無理矢理私の手からすり抜けた。
そして、早紀さんのほうへ素早く駆け寄り、彼女の膝にすがりついた。
「あら、あらら?」
エプロン姿の早紀さんも祐希の目線に合わせる様にしゃがみ込んだ。
「いいにおーい♪さきせんせいのにおい、ダイスキ!」
そして早紀さんにダイブした祐希。
どうやら祐希は嗅覚を介して早紀さんが傍にいてくれたことを感じ取っていたみたいだった。
それによって
早紀さんが祐希の出生直後からずっと傍にいてくれたというナオフミさんの言葉に信憑性があることを改めて確認できたような気がした。
「さきせんせーい♪」
『すみません、、先生・・・こら、祐希、、』
「嬉しいコトよ、伶菜さん・・・今晩、祐希クンと一緒に寝てもいいかしら・・・」
『えっ、でも・・・』
祐希を早紀さんから引き離そうと彼の右腕を掴んだままフリーズしてしまった私。
ここナオフミさんの実家で
日詠先生と早紀さんのご自宅で
名古屋から着の身着のままで来ちゃったし
「今晩、ここ、泊めてもらってもいいかな?」
そんな私をフォローしてくれたのは
さっきまでの他人行儀な丁寧な口調から打ち解けた口ぶりに変貌していた
ナオフミさんだった。
「今から名古屋帰るのも、夜勤明けだからしんどいし・・・」
「そうよね。泊まっていって・・・祐希クン、寝かせてくるから、ご飯、よかったら食べておいてね。」
「ありがとう・・」
「いいえ。ふたりともゆっくりしてね。じゃ、お部屋行こうか、祐希クン!」
ナオフミさんだけじゃなく早紀さんも・・・打ち解けたような感じがした。
祐希と手を繋ぎ、ダイニングを後にしようとした早紀さん。
なんとも微笑ましい光景だった。
「あっ・・・」
そんな彼女を引き留めたナオフミさん。
彼は今、どんな気持ちで彼女らを見つめ、そして引き留めたんだろう?
「あのさ・・・」
「え?」
祐希と手を繋いだまま後ろを振り返った早紀さん。
「あの、そうそう、ベランダ横の部屋、借りてもいいかな?」
ナオフミさんは珍しくどもり気味にそう声をかけた。
もう少し早紀さんと話したかったのかな?
久しぶりだもんね、ふたりとも
久しぶりの親子の会話
私ももう少し聞いていたい気がする
きっと日詠先生もそうですよね?
「その部屋は尚史の部屋よ・・・好きなように使って。」