ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



ガタッ・・・



「誇りに思うよ・・・お前がボクらの息子でいてくれることをな。」


椅子から立ち上がりながら日詠先生はそう呟いた。




「伶菜クン・・・ありがとう・・・ボクと早紀が望んでいたようにキミがナオフミと一緒にボクらの前に現れてくれたことを・・・本当に嬉しく思うよ。」



日詠先生
私も嬉しいです

名古屋で先生方に初めてお会いした時には
ナオフミさんと一緒にミライを共に歩くことを自分で決められなかったけれど

今、こうして彼と一緒に再び先生方のもとへやって来れたコト

本当に嬉しいんですよ




「高梨にも、詩織ちゃんにも見せてあげたかったな・・・ふたりが一緒にいる姿をね・・・祐希クンは私達がみているから・・・今日ぐらいはゆっくりしなさい。」




ポンッ!




歩きながらナオフミさんの肩を力強く叩いた後、日詠先生も早紀さんが歩いて行ったほうへ向って歩き始めた。



大きくて広いその背中
この人がこれから私のお義父さんになるんだ
家族になるんだ

そして早紀さんも私のお義母さんになる


大切にしたい
実の両親と同じぐらい





『あの・・・』

「ん?」


すぐさま足を止め、振り向いた日詠先生。
ほんの少し首を傾げながら。



『早紀さんにお伝え下さいますか?』



いろんなコトを学びたい
死別してしまった実の両親から教わりきらなかったコトを




『もしよろしければ明日の朝、お味噌汁の作り方教えて欲しいです・・・と』



知っていて当たり前のコトからでもいいから・・・・教えて欲しい

ダイスキな人と
その大切な家族の
当たり前を・・・・



「・・・ああ・・・伝えておくよ。早紀にもね。」



日詠先生は目を閉じながらそう言った直後、ダイニングから歩き去ってしまった。
あまりにも足早に。


その姿から私は後悔が頭を過ぎった。
“失礼なことを申し上げたかも”と。


味噌汁の作り方教えて欲しいなんて
“そんな常識的なことを知らないのか?!”
ってガッカリされたかな?


名古屋でもナオフミさんに早紀さんの味を味わって欲しいその一心でそう言っちゃったけれど・・・




「伶菜、ちょっといいか?」


『あっ・・・』



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