ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
美咲のその言葉に
以前も似たようなことがあったことを思い出した。
救急に搬送要請のあった妊婦を自己判断で受け入れたシニアレジデントの久保の件
指導医に指示を仰ぐことなく分娩にあたり、無理な分娩を行ったことで
新生児の腕に麻痺を生じさせてしまった
それによって多方面から追い込まれてしまった久保は自ら命を絶ってしまった
その久保も俺のことを買い被っていた
多くの人に認められている俺が羨ましいみたいなことも口にしたぐらい
美咲が口にしたさっきの言葉に
その時の俺がリアルに蘇る
久保の件は、彼がいなくなったことで急に業務が増えてそれをがむしゃらにこなし、
疲弊しかけた俺を伶菜が支えていてくれた
それぐらい俺自身も弱ってしまっていた
また俺のせいで
後輩が苦しむのか?
俺自身も弱ってしまうのか?
同じことなんか繰り返してはならない
『俺じゃなきゃダメだなんて、そんなことないさ。買い被りすぎだ。俺だって上手くいかないことはある。』
「それでも・・・日詠先生じゃなきゃダメなんです。私が・・・」