強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
しばらくすると、天ぷらをメインにしたコース料理の品がテーブルへと運ばれてきた。

保しなの料理を食べるのはいつ振りのことだろう。

「やっぱり保しなといえば天ぷらだよな。特にこのキスの天ぷらはふっくらとしていてうまい」

目の前で美味しそうに天ぷらを頬張る真夜は、私と違って仕事の接待や会食などで保しなによく来ている。たぶん私よりも保しなの料理を食べているし、味にも詳しいと思う。

「明、食べないの?」

テーブルの上の天ぷらに手をつけないでいると真夜に声を掛けられた。

「食べるよ」

そう答えて、私はキスの天ぷらを箸で持ち上げる。ひと口食べると、真夜の言う通りふっくらとしていて美味しい。

その他の料理も美味しくて、こんなに美味しい料理を食べられる保しなが経営難で潰れなくてよかったと改めて思う。これもすべて真夜の実家のシヅキホテルグループのおかげだ。

コース料理を最後まで食べ終えると、厨房にいる父に声を掛けてから私たちはお店を後にした。


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