会長候補はSweets☆王子!?
「どうかなさったんですか?」

「アドルフォさんのお話を聞いてて、あたしと近い年齢の男の子なのに、そんな立派な人がいるだなんて考えたら、少し恥ずかしくなったんです」


 アドルフォさんは、優しく微笑むと

「真希お嬢様、焦らずゆっくりとご自分の将来のことを考えたらいいんですよ。
 皆さん、人それぞれ置かれた環境や立場は違います。
 大切なのは、その環境でどれだけ自分の力を振り絞って、全力で頑張れるかということです」


 あたしは、執事としてではなく、人生の先輩としてのアドルフォさんの言葉を聞きもらすまいと集中しました。

「私が講師で教えている『アマンダ』のアルバイト少年は、育ててくれた祖父母が、老舗の和菓子屋さんを経営されておられたそうです。
 しかし、お祖父様が亡くなり、お祖母様も病気がちで、泣く泣くお店を閉店せざるを得なくなったそうです」

 アドルフォさんは、とても慈愛に満ちた表情で、いわば『教え子』のエピソードを語ってくれています。

「……彼は、将来的にはパティシエの専門学校に進学して、お祖母様が健在な内に和洋のスイーツを提供出来るような、そんなお店を自分の力で再建されたいと語っていました」

「格好いいですね。自分の為だけでなく、大切な人の為に頑張って夢をかなえようとするなんて」
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