会長候補はSweets☆王子!?
「あっ?」


 突然、通り過ぎたオートバイの先頭のドライバーが停まり、あたしの方にスピードを落として近付いて来ます。

(な、何っ!?)


「……ごめんよ。アンタだったのか」


 ドライバーはフルフェイスのヘルメットを外すと、いたずらを見つかった子供の様な笑顔をあたしに向けました。


 梶山静也(カジヤマ・セイヤ)君。
 小倉塚第二高校では、知らない人のいない硬派なヤンキー男子です。

 寡黙で、何を考えてるのか分からないミステリアスなオーラを漂わせてて、半端ない位の凄みがある一方、異常に手先が器用な一面もあります。

 美術の時間、課題の紙粘土細工では見事な回転寿司一式を造り上げたり、ペーパークラフトの自由制作では『小倉祇園太鼓』のやぐらを組み立ててしまう程の芸術家でもあります。

「ええと……矢田部だったっけ? おお、デート中だったか」

 ニヤリとニヒルな笑みを浮かべる梶山君。


「おい! 危ないだろ!?
 ちゃんと矢田部さんに謝れよ!!」

 林君は憤慨して食ってかかります。


「こりゃまた失礼っ!」

 梶山君は人差し指と中指をくっつけて、ピシッとポーズを取ると謝罪してるのか、からかってるのか分からない態度で直立不動。

「梶山! いい加減にしろよ!!」
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