ストロベリーキャンドル
私がドクターに詰め寄ると、
ドクターは英語で何か話し始めた。
英語が苦手な私には何を言っているのかさっぱりだったため、
武田部長に話を聞いてもらう。
ドクターがいなくなって、
手術室の中からベッドに寝た仁が運ばれてきた。
「仁、仁!」
「一ノ瀬くん。神崎くんの手術は無事成功に終わったそうだ。
今は寝ているが、次期目覚めるらしい」
「そうですか……良かった……」
その言葉を聞いて全身の力が抜ける。
無事だった……死んじゃうかと思った。
もう会えなくなるのかと、
そんな最悪な想像ばかりが頭を巡っていた。
それだけに、仁が無事だと知ってとても安心した。
私は廊下にぺたんと座り込んでしまった。
武田部長が体を支えてくれる。
震える足をなんとか動かして、
ゆっくりと立ち上がった。
そして運ばれていった仁の後を追う。
仁は個室の部屋に通されていた。
部屋は閑散としていて、寂しかった。
ベッドに横たわる仁を見つめる。
頭には包帯が巻かれていて、
頬には生々しい傷が残っていた。
仁の名前を呼んでも、仁が目覚めることはなかった。