【最新版】異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「変なウサギだなんて、失礼ね。それに私は、エドガーのブローチ分の食材をちゃんと運んでくれているか、見張っていただけだよ。お金勘定は大事だからね」
かわいらしい顔立ちに似合わず、ロキはまるで誰よりも年長者であるかのような物言いをする。
つい、お母さんと呼びたくなってしまうくらいに。
「僕が金だけとって適当な仕事をする、詐欺師のような真似をすると?」
オリヴィエの空気が張りつめていくのを感じた私は、場を取りなすように手を叩く。
「あー、そうだ! 皆でバルドさんたちのお弁当を作りましょう!」
「はあ? 僕の話はまだ終わってな──」
「ね? それがいいです! もうお腹がぺこぺこなんで。お腹がぺこぺこなんで!」
空腹は重要なポイントなので二度言った。
「なにがいいんですか! あと、二回も言わなくても聞こえてます!」
「でも、大事なことなんで。私にとっては最優先事項と言っても過言ではない」
「あなたの腹事情なんて、知りませんよ!」
私は文句を言っているオリヴィエの背中を押す。こうして、私は皆を無理やり昼食作りに巻き込んだのだった。
国境線の森での戦で勝利を収めたパンターニュ騎士団は駐屯地で私の作ったお弁当を平らげたあと、王都に帰還することになった。
「それにしても、僕たちまで城に呼ばれるなんて驚きですね。まあ、僕は王城との取引をとりつける機会にできますから願ったり叶ったりですけれど」
騎士団のあとを王城御用達の馬車に乗って追っていると、オリヴィエは悪い顔をしてにやりとしている。
そうなのだ。私たちは今、騎士団の皆とともにパンターニュ城のある王都へ向かっている。
なんでも、バルドさんから『お弁当』の話を聞いたパンターニュの王様が直接会いたいとおっしゃられたのだとか。
「ただのお弁当なんだけどね」
どうして、国王に謁見することになっているのだろう。そこまでして見たいものかな、お弁当。私は膝の上に載っている、国王に献上する用のお弁当に視線を落とす。バルドさんに頼まれて、急遽作ったものだ。
「成り行きとはいえ、騎士団の調理要員として働きましたからね。謝礼くらいいただきたいです」
向かいの席に腰かけていたオリヴィエは、ちゃっかりしている。騎士団だけでなく、国王ですら金ずるにしか見ていないのではないか。
ロキと顔を見合わせて、肩をすくめる。
そういえば、さっきからエドガーが静かだな。
隣を見れば、信じられないことにエドガーは幌馬車から飛び降りようとしていた。目を疑うような光景に、一瞬思考が停止する。
かわいらしい顔立ちに似合わず、ロキはまるで誰よりも年長者であるかのような物言いをする。
つい、お母さんと呼びたくなってしまうくらいに。
「僕が金だけとって適当な仕事をする、詐欺師のような真似をすると?」
オリヴィエの空気が張りつめていくのを感じた私は、場を取りなすように手を叩く。
「あー、そうだ! 皆でバルドさんたちのお弁当を作りましょう!」
「はあ? 僕の話はまだ終わってな──」
「ね? それがいいです! もうお腹がぺこぺこなんで。お腹がぺこぺこなんで!」
空腹は重要なポイントなので二度言った。
「なにがいいんですか! あと、二回も言わなくても聞こえてます!」
「でも、大事なことなんで。私にとっては最優先事項と言っても過言ではない」
「あなたの腹事情なんて、知りませんよ!」
私は文句を言っているオリヴィエの背中を押す。こうして、私は皆を無理やり昼食作りに巻き込んだのだった。
国境線の森での戦で勝利を収めたパンターニュ騎士団は駐屯地で私の作ったお弁当を平らげたあと、王都に帰還することになった。
「それにしても、僕たちまで城に呼ばれるなんて驚きですね。まあ、僕は王城との取引をとりつける機会にできますから願ったり叶ったりですけれど」
騎士団のあとを王城御用達の馬車に乗って追っていると、オリヴィエは悪い顔をしてにやりとしている。
そうなのだ。私たちは今、騎士団の皆とともにパンターニュ城のある王都へ向かっている。
なんでも、バルドさんから『お弁当』の話を聞いたパンターニュの王様が直接会いたいとおっしゃられたのだとか。
「ただのお弁当なんだけどね」
どうして、国王に謁見することになっているのだろう。そこまでして見たいものかな、お弁当。私は膝の上に載っている、国王に献上する用のお弁当に視線を落とす。バルドさんに頼まれて、急遽作ったものだ。
「成り行きとはいえ、騎士団の調理要員として働きましたからね。謝礼くらいいただきたいです」
向かいの席に腰かけていたオリヴィエは、ちゃっかりしている。騎士団だけでなく、国王ですら金ずるにしか見ていないのではないか。
ロキと顔を見合わせて、肩をすくめる。
そういえば、さっきからエドガーが静かだな。
隣を見れば、信じられないことにエドガーは幌馬車から飛び降りようとしていた。目を疑うような光景に、一瞬思考が停止する。