【最新版】異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「帰りたくないのか、そうじゃないのか、わからないならとことん悩んだらいい。焦る必要はない……と思う」
「え?」
「な、納得がいくまで悩んで、答えが出るまでは、少しでも心動かされたことをすればいい。誰かに決められた道を歩むんじゃなくて、自分が求めるもののため……に」
エドガーの言葉がすとんと胸に落ちてくる。
まさか、あの引きこもりのエドガーからこんなセリフが出てくるなんて。
迷いが少しずつ晴れていくのを感じた。
──もう少しここにいたい。
今はなにも考えずに、その気持ちだけを優先してもいいのかもしれない。私はたしかに、この異世界での生活に心動かされたのだから。
辺りが夕日の橙色に染まる頃、私たちは王都の丘の上にあるパンターニュ城にやってきた。
敷地内には石造りの鐘塔や教会があり、庭もピンク色のダマスクローズで埋め尽くされている。
大理石が敷き詰められた廊下を歩き、バルドさんに連れられて広間に通されると、緊張で口の中がカラカラになりながら王様のお出ましを待つ。
やがて、「国王のご尊来!」という声とともに広間の大扉が開かれ、王冠を被った十一歳くらいの金髪の少年が入ってきた。
身に着けた紺の王族衣装とは対照的な深紅のマントをバサッと手で払い、彼は王座の前まで歩いてくる。そして、はじめから自分のために用意されていたとばかりに、当然のごとく腰をおろした。
「誇り高きパンターニュの騎士たちよ、大儀であった」
歳不相応の堅苦しい口調で労いの言葉をかけた少年に、騎士たちは頭を垂れる。
大の大人が子供にひれ伏している光景に唖然としていると、少年は身体を騎士の隣に控えていた私のほうへ向けた。
「え?」
「な、納得がいくまで悩んで、答えが出るまでは、少しでも心動かされたことをすればいい。誰かに決められた道を歩むんじゃなくて、自分が求めるもののため……に」
エドガーの言葉がすとんと胸に落ちてくる。
まさか、あの引きこもりのエドガーからこんなセリフが出てくるなんて。
迷いが少しずつ晴れていくのを感じた。
──もう少しここにいたい。
今はなにも考えずに、その気持ちだけを優先してもいいのかもしれない。私はたしかに、この異世界での生活に心動かされたのだから。
辺りが夕日の橙色に染まる頃、私たちは王都の丘の上にあるパンターニュ城にやってきた。
敷地内には石造りの鐘塔や教会があり、庭もピンク色のダマスクローズで埋め尽くされている。
大理石が敷き詰められた廊下を歩き、バルドさんに連れられて広間に通されると、緊張で口の中がカラカラになりながら王様のお出ましを待つ。
やがて、「国王のご尊来!」という声とともに広間の大扉が開かれ、王冠を被った十一歳くらいの金髪の少年が入ってきた。
身に着けた紺の王族衣装とは対照的な深紅のマントをバサッと手で払い、彼は王座の前まで歩いてくる。そして、はじめから自分のために用意されていたとばかりに、当然のごとく腰をおろした。
「誇り高きパンターニュの騎士たちよ、大儀であった」
歳不相応の堅苦しい口調で労いの言葉をかけた少年に、騎士たちは頭を垂れる。
大の大人が子供にひれ伏している光景に唖然としていると、少年は身体を騎士の隣に控えていた私のほうへ向けた。