【最新版】異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「それでいい」
私の返事に満足した様子の国王は、王座に戻る。
「この国は私が生まれる前から、ベルテン帝国の侵略を受けている。前国王も、その戦での負傷が原因で崩御した」
静かに国王の置かれている状況を語られ、私は「え……」と言葉を失う。
前国王、つまりシャルル国王のお父さんは戦で亡くなった。まるでファンタジー小説やゲームの中の話みたいだ。頭が追いつかないでいる間にも、国王の話は続く。
「幼い私の即位は簡単にはいかず、国王が不在である今が好機とばかりにベルテンの皇帝はパンターニュに攻め入ってきた。私が即位したときにはすでに、いくつかの領地がこの手を離れていてな」
私の国でいえば、彼はまだ大人に守られるべき小学生だ。
それなのに親も失って、それでいて国の主として凛然と振る舞っている。
そこで初めて、彼が大人びている理由がわかった。
日本の小学生とは、背負っているものが圧倒的に違いすぎるのだ。
「今回の国境線の戦もベルテンに押し切られれば、パンターニュはまたひとつ領土を失っていただろう。ゆえに重要な戦いの中にいる騎士たちを支えたあなた方への感謝は、謝礼金などでは足りないくらいだ。どうか、私の気持ちを受け取ってほしい」
戦争のことはよくわからないが、成り行きとはいえ結果として私のお弁当が役に立てたならよかった。
私は「ありがとうございます」と頭を下げて、広間をあとにしたのだった。
城を出る頃には、外は真っ暗だった。
駐屯地で一緒だった騎士たちは城内の騎士棟に戻り、オリヴィエは馬車でエーデの町に帰っていく。
それを見送った私は異世界で行く当てなどなく、お母さんのレシピ本を胸に抱きしめて城門の前で立ち尽くしていた。
「私はこれからどうすれば?」
まずは宿探しだろうか。といっても土地勘がないから、宿を探せない。お金はあるけど、高い安いの金銭感覚がわからないので、ぼったくられたりしないか不安だ。
途方に暮れるとはこのことである。
そんな私に気付いたのだろう。エドガーもロキも森に帰るに帰れないようで、私の隣でじっとしている。
私の返事に満足した様子の国王は、王座に戻る。
「この国は私が生まれる前から、ベルテン帝国の侵略を受けている。前国王も、その戦での負傷が原因で崩御した」
静かに国王の置かれている状況を語られ、私は「え……」と言葉を失う。
前国王、つまりシャルル国王のお父さんは戦で亡くなった。まるでファンタジー小説やゲームの中の話みたいだ。頭が追いつかないでいる間にも、国王の話は続く。
「幼い私の即位は簡単にはいかず、国王が不在である今が好機とばかりにベルテンの皇帝はパンターニュに攻め入ってきた。私が即位したときにはすでに、いくつかの領地がこの手を離れていてな」
私の国でいえば、彼はまだ大人に守られるべき小学生だ。
それなのに親も失って、それでいて国の主として凛然と振る舞っている。
そこで初めて、彼が大人びている理由がわかった。
日本の小学生とは、背負っているものが圧倒的に違いすぎるのだ。
「今回の国境線の戦もベルテンに押し切られれば、パンターニュはまたひとつ領土を失っていただろう。ゆえに重要な戦いの中にいる騎士たちを支えたあなた方への感謝は、謝礼金などでは足りないくらいだ。どうか、私の気持ちを受け取ってほしい」
戦争のことはよくわからないが、成り行きとはいえ結果として私のお弁当が役に立てたならよかった。
私は「ありがとうございます」と頭を下げて、広間をあとにしたのだった。
城を出る頃には、外は真っ暗だった。
駐屯地で一緒だった騎士たちは城内の騎士棟に戻り、オリヴィエは馬車でエーデの町に帰っていく。
それを見送った私は異世界で行く当てなどなく、お母さんのレシピ本を胸に抱きしめて城門の前で立ち尽くしていた。
「私はこれからどうすれば?」
まずは宿探しだろうか。といっても土地勘がないから、宿を探せない。お金はあるけど、高い安いの金銭感覚がわからないので、ぼったくられたりしないか不安だ。
途方に暮れるとはこのことである。
そんな私に気付いたのだろう。エドガーもロキも森に帰るに帰れないようで、私の隣でじっとしている。