【最新版】異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~
「エドガー、誰でもいいってわけじゃないの。異世界にいる間、身を寄せるなら、なんだかんだここまで付き合ってくれたエドガーがいいなって、そう思ったからなの」


 エドガーは静かに目を見開き、息を呑んでいる。だからなんだと、突っぱねられるだろうか。内心ハラハラしながら、エドガーの答えを待つ。


「……わかった、腹をくくる」


 死地に赴く戦士のように、深刻な面持ちでエドガーは承諾した。


「一応、エドガーは男だからね。くれぐれも、うちの娘を襲うんじゃないよ?」


 いつの間にか、私はロキの娘になっていたらしい。

 凄みながらロキが念を押すと、焦った様子でエドガーは顔の前で両手を振り、弁明をはじめる。


「も、もちろん、変な気は起こさない! 雪は若いし、子供に手を出す趣味は持ち合わせてない、からっ」

「うん、そこまで全力で否定されると、かえって失礼だからね。それにロキ、エドガーに限ってそれはないから大丈夫だよ。だって、目すら合わせられないのに、どうやってキスとか、エッ──」


 言葉尻を捕らえるように、ロキが「やめなさい!」と私の口をそのモフモフの小さな手で塞いできた。

 これくらい、今どきの女子高生なら誰でもする会話なのに。


「さ、そろそろ帰りましょう」


 なぜか仕切るロキに、「俺の家なのに……」とエドガーがぼやく。


「え、ロキは森に帰らなくていいの?」


 一緒にエドガーの家に行くような空気を醸し出しているけれど、野生に戻らなくていいのだろうか。いや、服を着ているから誰かに飼われている可能性もある。それなら、ご主人が心配していることだろう。

 でも、ロキは私のスカートの裾を小さな手でぎゅっと握り首を横に振る。


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