夢の中の世界
しかし、すぐに怪訝な表情に変化していく。


「どうしたの真弥?」


あたしがそう質問すると、真弥はゆっくりと顔を上げて左右に首を振った。


「スマホがない! いつもポケットに入れておくのに……!」


「え? 勘違いじゃないの?」


「そんなワケない!」


真弥はスカートのポケットをひっくり返して確認するが、中から出て来たのはピンク色のハンカチだけだった。


嫌な予感がし、あたしも自分のスカートのポケットを確認して見た。


しかし、何も入っていない。


おかしい……そもそもあたしはスマホをどこに置いていただろうか?


記憶を呼び戻そうとしてみたけれど、再び激しい頭痛に襲われて思考が途絶えてしまう。
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