美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
いつの間に発注したのだろう。

そのシャンプーとコンディショナーは瑠花がデザインしたボトルと全く同じ形の容器に入れられてバスルームに置かれていた。

いくら御曹司とはいえ、どんなコネクションを行使したら、たった1つの容器を作るためにたくさんの人を動かすことができるのだろうか。

経緯はどうあれ、朔也は瑠花を励ますためだけに、この新商品を手元に送り届けてくれた。

問題を報告もせずに勝手に新商品を手掛け、挙げ句の果てに一方的にボトルのデザイン画と退職届を叩きつけ、穂積ソワンデシュヴを離れようとした瑠花。

そんな瑠花を見捨てることなく大切にしてくれて励ましてくれる優しい上司。

瑠花は広いバスタブにうずくまって、その優しさを噛み締めていた。

バスルームを出ると、脱衣所にはコンビニで買ったと思われる女性用の下着と、朔也の物と思われるスウェットの上下が置かれていた。

ブラのサイズが合っていなくて正直ホッとした。

寝ている間に見られていたらどうしようかと思っていたからだ(瑠花は案外着やせするのだ)。

それでもご厚意に甘えて小さめの下着を着け、朔也の香りのするスウェットを着用する。

失恋の余波にのまれようとしていた瑠花は一転、先程のキスといい、はじめてのお泊まりといい、初めて尽くしに翻弄されることになり、小さな心臓はバクバクして壊れそうだった。

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