美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「あがったか?やっぱり俺のスウェットだとブカブカだな。歯ブラシはこれを使え。髪はその後で俺が乾かしてやる」
徐に歯ブラシを握らされ、歯磨き粉をつけると口にそれを入れられる。
言葉を発せない瑠花は、仕方なく押し込まれた歯ブラシを動かして歯を磨き始めた。
それはひたすら黙々と餌を食べ続けるハムスターのようであまりに可愛すぎた。
見たこともないような満面の笑みで瑠花を見つめる朔也の視線が痛い。
゛帰ります゛
と、再度言い出し損ねた瑠花は、髪を乾かすタイミングに一抹の期待をかけて歯磨きを続けた。
なぜか瑠花が歯磨きを終えるのをその場で待っていた朔也が、
゛待ってました゛
とばかりに瑠花の手を引き寝室に招き入れる。
戸惑うまもなくベッド脇に座らされた瑠花は、朔也の大きな手で髪を乾かしてもらうことになった。
「サラサラだな。夢見ていた通りだ」
感慨深げに呟く朔也の声は、ドライヤーの音にかき消されて瑠花には届かなかった。
丁寧に、丁寧にブラッシングをしながら髪を乾かす朔也。
穂積堂でアルバイトをしていた大学生時代に、朔也もこうして女性の髪を乾かしたことがあるのかと思うと、瑠花の胸はチクリとうずいたが、それ以上に今は、憧れていた人に髪を触ってもらえるという嬉しさの方が上回っていた。
心のどこかで警戒心を抱きながらも、自宅に帰してもらえる可能性を捨てきっていない瑠花は、やはり何もわかってはいなかった。
いつの間にか眼鏡をかけていた朔也。
それは戦闘モードを意味する。
そう、眼鏡王子はどんな時でも狙った獲物は逃がさないのである。
徐に歯ブラシを握らされ、歯磨き粉をつけると口にそれを入れられる。
言葉を発せない瑠花は、仕方なく押し込まれた歯ブラシを動かして歯を磨き始めた。
それはひたすら黙々と餌を食べ続けるハムスターのようであまりに可愛すぎた。
見たこともないような満面の笑みで瑠花を見つめる朔也の視線が痛い。
゛帰ります゛
と、再度言い出し損ねた瑠花は、髪を乾かすタイミングに一抹の期待をかけて歯磨きを続けた。
なぜか瑠花が歯磨きを終えるのをその場で待っていた朔也が、
゛待ってました゛
とばかりに瑠花の手を引き寝室に招き入れる。
戸惑うまもなくベッド脇に座らされた瑠花は、朔也の大きな手で髪を乾かしてもらうことになった。
「サラサラだな。夢見ていた通りだ」
感慨深げに呟く朔也の声は、ドライヤーの音にかき消されて瑠花には届かなかった。
丁寧に、丁寧にブラッシングをしながら髪を乾かす朔也。
穂積堂でアルバイトをしていた大学生時代に、朔也もこうして女性の髪を乾かしたことがあるのかと思うと、瑠花の胸はチクリとうずいたが、それ以上に今は、憧れていた人に髪を触ってもらえるという嬉しさの方が上回っていた。
心のどこかで警戒心を抱きながらも、自宅に帰してもらえる可能性を捨てきっていない瑠花は、やはり何もわかってはいなかった。
いつの間にか眼鏡をかけていた朔也。
それは戦闘モードを意味する。
そう、眼鏡王子はどんな時でも狙った獲物は逃がさないのである。