年上ダーリン、猫系につき溺愛中
若いが故の厳しさというか。
そんなもので俺はエセ金八って裏で呼ばれるほど生徒に嫌われていて、俺に唯一懐いてくれていた湊が放課後バスケやら保体やらを習いに来た時、嫌われてんなあってぼやいていたのを湊は覚えていたのだろう、
湊は俺に先生になってくれてありがとうって笑った。
(あ、湊のために夢捨てるの、全然できる)
そう思った瞬間が俺の人生のすべてだったと思う。
「んー…きょうへー」
俺の彼女は世界一可愛い。
中でも1番可愛い瞬間は、起きた時。
100%の確率で俺が先に起きるんだけど、不意に目覚めた湊は俺を探すために名前を呼ぶ。
いつも恭ちゃんとかたまに恭平って呼んでくる湊が俺を「きょうへー」ってものすごーく寝ぼけた感じで呼んでくるの、結構可愛い。
俺の意地悪で返事がないとポンポン布団を叩いて俺を探す仕草(もしくは隣に来ての合図)をし出すんだけど、それを毎日仕掛けると朝から不機嫌な湊を迎える事になるためあんまりやらない。
今日は返事をしない日。湊がポンポンしてる。
「きょー」
「………」
「きょうへいー……いないのー……」
だんだん泣きそうになる湊の声。
「いるよーおはよう」
「返事おっそい……起こして」
「おまえ俺がいなかったら起きれないじゃん」
「ずっと一緒だから結婚したんでしょー」
「………ウン」
予想だにしない返事に俺は思わずチュー。
いい大人が18歳に耐えきれずキスとかアホらしいんだけど、教職員をやめた理由はコレ。俺の中で「湊>教員」が成立しちゃった瞬間はいつだったんだろう。当たり前のように好きになってた。
「仕事何時から?」
「14」
「オケイ。湊を見送って俺も仕事に出るわ」
「中学生に惚れるなよー犯罪だからな手出したら」
「出さねえよ!」
とか言いつつ。