蛍火に揺れる


(ちっちゃいけど……やっぱり大きいよな……)

お母さんが縫ってくれた赤ちゃん用の肌着。
一つを手にとって広げてみる。

確かにすごく、すごく小さくて、本当にこれが人間であるのか?というのを疑うぐらいの大きさ。
でも正直、この大きさのものが自分の股から出てくるなんて本当なのか?とも。

仮にも、まだまだお腹は膨らみ始めたばかり。本当にこの子はここまで成長するのか?と当たり前のことだけれど疑問に思ってしまうほどだ。


「ただいま……って何それ?」

ちょうどノリ君が帰ってきたらしい。リビングに入るなり、広げられた荷物を見ながら立ち尽くしている。

「おかえり。何かうちのお母さんから荷物」

「あぁ、ベビー用品?縫うって張り切っていたもんね」

そしてノリ君は私の隣に座って、送られてきた荷物を一つ一つ手に取った。


「すごいねお義母さん。さすが元保育園の先生」

手にしているレースがあしらわれた手作りの真っ白いベビードレス。
縫い目を見ると、全て手縫いで縫われていることがわかる。きっととてつもない時間をかけていたんだろう。

< 106 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop