雪に咲く華







「そっか。わかった」


長い沈黙の後、先に口を開いたのは相原先輩の方だった。

あれ?意外とあっさり納得してくれた。てことはもう帰っていいかな?

私はそれが甘い考えだったことにすぐ気がついた。

相原先輩は眩しいほど満面の笑みを浮かべ、


「倉庫に行こうか!」


爆弾を落とした。


「それでいいよね、永和?」

「ああ」


先輩方、そこで勝手に決めないでください。というか、話の流れが絶対におかしい!

なんで「わかった」の後が「倉庫に行こう」なの?


「あの先輩、倉庫って…」

「ああ、俺たち双龍の溜まり場だよ。放課後や休みの日は大体みんなそこにいるんだ」

「そんな大事な所にお邪魔できません!」

「いいんだよ。総長が、オッケー出してるんだから」


この人まともに話聞いてくれないし。私いつの間にかズルズル引きずられてるし。
極めつけに相原先輩が、


「いいから、おいで?」


って真っ黒な笑顔で言うものだから、もうなんとでもなれと諦めた。


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