雪に咲く華
海から帰ってきた後も、夏休みはいろんなことをして遊んだ。花火をしたりBBQをしたり、あっという間に時間が過ぎて気づけば今日はもう夏休み最終日。
「今年の夏は濃かったね。葵ちゃんがいてくれたおかげで真と颯の宿題もはかどったし」
「大体最終日は夜中まで机にかじりついてるもんな」
「うっせーよ。終わらせてんだからいいだろ」
「葵の説明わかりやすいもんな。俺ちょっとだけ勉強好きになった」
「さすが私の親友!」
口々に褒めてくれるのは嬉しいけど、これは少しやりすぎではないだろうか。一緒に夕食を作っていた信乃は、何も言わないがさわやかな笑顔で私を見ていた。
「信乃、あまり見ないでほしいんだけど」
「ごめんごめん。葵ちゃんもだいぶ双龍に馴染んだなーと思ったら嬉しくってさ。はじめはあんなに警戒してたのにね」
「...警戒してたのはそっちの方だと思うんだけど。でもここは、居心地がいいから」
「そう言ってもらえると光栄だね」