追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 対面を終えて私が厨房に向かおうとしたら、ノアール様が厳しい声音で待ったを掛けた。
「はい?」
「調理は、お母様が使っていた王妃専用の厨房でして!」
 あらかじめ聞かされていたのは、一階東棟の厨房だ。私が王妃様専用の厨房など、使ってしまっていいのだろうか……?
「絶対、そっちを使って。あなたが使ってくれたら、お母様も喜ぶよ」
 逡巡する私に、ノアール様が力強く言い切った。
「……では、お言葉に甘えて、そちらの厨房を使わせていただきます。お昼前には、クッキーやパンケーキなど、いくつかお出しできると思います」
「よかった! 楽しみだ」
 先ほどの厳しい声と、今、ノアール様が見せるホッとしたような表情の対比が、なんだか少し気になった。
 気になりつつも、案内役の侍女がやって来たために、この時はここで一旦ノアール様との会話は終わった。
 それから二日が経ち、私とノアール様は身分や年齢の壁を越え、親友になっていた。初日に約束した通り、私は空いた時間のほとんどをノアール様の部屋で、たわいもないおしゃべりをして過ごすようになっていた。
 ノアール様が思い詰めた表情で声をあげたのは、そんな時だった。
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