追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「証拠はないよ。事前に毒見はされていたし、お母様が倒れて直ぐに晩餐は中断し、残っていた食事も全部調べられたけど、毒物は検出されなかった。だけど僕は、今でもお母様はバーモン侯爵家から献上された魚を食べて死んじゃったって思ってる」
 ノアール様はガタガタと体を震わせながら訴えた。
「もう少し詳しく教えてもらえますか?」
「どうして検出されなかったのかはわからない。だけどきっと、魚を捌いた料理人が毒を盛るかなにかしたんだ。命令したのはバーモン侯爵家、お兄様のご生母様の実家だよ。バーモン侯爵家は、僕を恐れたんだ。お父様がお兄様ではなく、僕を後継者に指名し直すんじゃないかと邪推をして、僕を殺そうとした。……だってね、お母様が食べた皿は、本当は僕に提供される予定の物だったんだ」
 っ! ノアール様の最後の台詞に血の気が引き、胸が張り裂けそうになった。
 なにか返さなくちゃと思うのに、震える唇は薄く開いたり閉じたりを繰り返すばかりで、意味ある言葉は出てこなかった。
< 106 / 216 >

この作品をシェア

pagetop