追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「……僕は兄様と違って、生まれつきこの姿がとれたわけではないんだ。お兄様と同じになりたくて、毎日練習を重ねて、……そして習得したの。庭で練習していて、はじめてこの姿を取れた時に、たまたま通りがかったのがバーモン侯爵夫人だった。夫人は驚いたように目を見開いて、けれどすぐに『クロフと同じね』と言って微笑んだ。そうして、変化の制御が完璧にできるようになるまでは、皆をぬか喜びさせてはよくないから内緒にしていましょうと続けた。夫人は笑っていたはずなのに、その目がすごく怖かったのを覚えてる。結局、僕は夫人の助言を聞き入れて、変化が完璧にできるようになるまで誰にも言わないことにした」
 ノアール様の瞳にキラリと涙が光る。
 私は弾かれたように大きく一歩踏み出して、細い背中に腕を回して抱き締めた。
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