追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 ――意識が今へと舞い戻る。
 これが、ノアール様から聞かされた王妃様の死の真相だ。同時に、ノアール様が王宮で出される食事を食べられなくなった理由でもある。
 食事を食べられなくなったノアール様は、獣化して使用人用厨房の食材や、軍部が保管する携帯食などを盗んで、食いつないできたそうだ。ノアール様が目を丸くして、貪るように食べ物を頬張るのは、この七カ月で染み付いた悲しい習性なのだ。私が食事を提供するようになって、この早食いに関しては段々と改善してきていたが、食事時になると獣化する癖はいまだに抜けていない。
 ノアール様が受けた心の傷、そして今も胸に秘める王妃様の死の真相、どちらもひとりの心に抱え込むにはあまりにも大きい……。
 その時、ノアール様が皿に残る最後のシチューをひと舐めをして、私を振り返る。
「きゅー!」
 これまでだったら、最初の皿を空けた後、ノアール様は間違いなくおかわりを要求していた。だけど今、私に向ける満足気な表情は、なんとなく「ごちそうさま」と言っているように感じた。
「ええっと、もうごちそうさまですか? おかわりはよろしいんですか?」
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