追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 案の定ノアール様の口もとについたシチューがそっくりそのまま、私のエプロンにくっついていた。「とほほ……」と肩を落としつつ、ノアール様の笑顔の為ならこのくらいは全然オッケー。洗えばいいさと、ひそかに自分を慰めた。

 ノアール様の部屋を出た後、私が厨房で後片付けまでを済ませて自室に向かっていると、突如、令嬢集団が目の前に立ちはだかった。
「お待ちなさい!」
 令嬢軍団の先陣に立って声を張ったのは、一際存在感を放つ縦巻きロールの髪をした少女、プリエーラだ。彼女の縦巻きロールはキツキツの巻きが特徴で、遊び毛やほつれ毛の一本も出てはいない、さながらドリルのような仕上がりとなっている。
 果たしてあの髪には、芯が入っているのか、いないのか……?
「専属菓子職人ふぜいが、クロフ様やノアール様に取り入って、なんのつもりですの!?」
 プリエーラにクワッと牙を剥かれ、ビクリと肩が跳ねた。
 すっかり縦巻きロールに気を取られている隙に、私はおかんむりの彼女たちにぐるりと周囲を取り囲まれてしまっていた。
「そうですわ!」
「あなたの態度は、目に余りましてよ!」
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