追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
黒いモフモフ現る!

 調理の合間に、チラリとテラス席を覗く。
 配膳の傍らにも、チラッと目線を向ける。
 今日は、……いや、正確には今日の午後からだが、私はテラス席が気になって仕方なかった。
「あの白ちゃんの集客効果、すごいわね~!」
 私が厨房に戻ると、注文品の盛り付けをしていたシーラさんが、感嘆の声をあげる。
 お昼過ぎ、たまたまカフェに顔を出したシーラさんは、予想外の盛況ぶりを見て、そのまま手伝いをしてくれていた。
「私も長くカフェをやってきたけれど、テラス席がこんなに賑わうなんて初めてよ」
「本当ですね。ルークがあのネコちゃんを連れて来てからずっと、テラス席にはお客様が引っ切り無しですね」
 ……そうなのだ。何故、私がこんなにテラス席を気にしているかと言えば、現在、テラスにはルークとともにプリンスがいるからだ!
 プリンスを間近に見ようと、いや、あわよくばひと撫でしようと、お客様が続々とテラス席に押し寄せていた。
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