追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「……見損なったぞ、性悪オオカミ! 俺は一時でもお前を強敵と認識した自分が恥ずかしい。なにが、『求婚には、王太子という肩書きがない方がいい』だ。それがどれだけアイリーンと弟を馬鹿にした発言か気づかないのか!?」
俺の剣幕に、性悪オオカミは驚いた様子で目を見開いた。
「お前のその腐った性根では、アイリーンを伴侶にと望むことすらおこがましい。俺は、端から両方を得ることを放棄しているお前とは違う! 皇帝位もアイリーンも、どちらをも手に入れる! 皇帝という身分も含め、アイリーンにまるごと俺を受け入れてもらうのだ。俺はそのためのあらゆる努力を厭わない。王位を放棄して、それを優位と捉えるなど、見下げ果てて物も言えない。お前はもう、俺の強敵などではない!!」
性悪オオカミは見開いた目に俺を映し、茫然と立ち尽くしていた。奴がなにを思っているのかは、わからなかった。
室内が、重苦しい空気で満たされていた。
「……少し、夜風を浴びてくる」
固まったまま動こうとしない……いや、動けないでいる奴を残し、俺は重苦しい空気が漂う部屋を後にした。
俺の剣幕に、性悪オオカミは驚いた様子で目を見開いた。
「お前のその腐った性根では、アイリーンを伴侶にと望むことすらおこがましい。俺は、端から両方を得ることを放棄しているお前とは違う! 皇帝位もアイリーンも、どちらをも手に入れる! 皇帝という身分も含め、アイリーンにまるごと俺を受け入れてもらうのだ。俺はそのためのあらゆる努力を厭わない。王位を放棄して、それを優位と捉えるなど、見下げ果てて物も言えない。お前はもう、俺の強敵などではない!!」
性悪オオカミは見開いた目に俺を映し、茫然と立ち尽くしていた。奴がなにを思っているのかは、わからなかった。
室内が、重苦しい空気で満たされていた。
「……少し、夜風を浴びてくる」
固まったまま動こうとしない……いや、動けないでいる奴を残し、俺は重苦しい空気が漂う部屋を後にした。