追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
聖獣は聴覚に優れているから、アイリーンがシーラさんから昼休憩をもらったことは、当然、俺だって知っていた。
だけど、テラス席には多くの客がいて、俺の周りにも奴の周りにも、人だかりができていた。客商売は、客に喜んでもらってなんぼだ。だから普通に考えて、客を放り出して付いていくなど、できるはずがなかった。
ところがだ、奴はスックと立ち上がったと思ったら、自分の周囲にいた客をうまいこと俺に押し付けて、サッサと駆けていってしまったのだ!
奴の突然の暴挙に目を剥き、俺は慌てて引き止めようとしたのだが、例のごとく腕白坊主に「待てよ白いの、どこ行くんだよ」と尾っぽをムンズと掴まれて、まさかの足止めをくらった。
……クソ――ッ! 奴は今頃、アイリーンとどこでなにを食べている!?
万が一、「分けっこ」や「あーん」でもしていようものなら許さないぞ。おのれ性悪黒オオカミめ、今に見てろよ!? 俺がお前に、目に物を見せてやるからな――!
沸き上がる怒りに任せ、ペチコンッ!っと、芝生の地面に肉球パンチをお見舞いした。
「おい、白いの! 背中向けてないで、ちょっとくらいサービスしろよ!」
だけど、テラス席には多くの客がいて、俺の周りにも奴の周りにも、人だかりができていた。客商売は、客に喜んでもらってなんぼだ。だから普通に考えて、客を放り出して付いていくなど、できるはずがなかった。
ところがだ、奴はスックと立ち上がったと思ったら、自分の周囲にいた客をうまいこと俺に押し付けて、サッサと駆けていってしまったのだ!
奴の突然の暴挙に目を剥き、俺は慌てて引き止めようとしたのだが、例のごとく腕白坊主に「待てよ白いの、どこ行くんだよ」と尾っぽをムンズと掴まれて、まさかの足止めをくらった。
……クソ――ッ! 奴は今頃、アイリーンとどこでなにを食べている!?
万が一、「分けっこ」や「あーん」でもしていようものなら許さないぞ。おのれ性悪黒オオカミめ、今に見てろよ!? 俺がお前に、目に物を見せてやるからな――!
沸き上がる怒りに任せ、ペチコンッ!っと、芝生の地面に肉球パンチをお見舞いした。
「おい、白いの! 背中向けてないで、ちょっとくらいサービスしろよ!」