かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 ぐしっ、ぐしっ。
 私は溢れる涙を拭うこともせずに、廊下をとぼとぼと歩いていた。
 遠くで予鈴が鳴った。
 他の生徒たちが、私を追い抜いて、早足で各々の教室へと向かっている。
 私のこころの中は、涙で濡れた顔と一緒で、ぐちゃぐちゃだった。
 純のバカ。純のバカ。バカバカバカ。
 別に私の気持ちを受け取ってくれとは言わない。
 けれど、受け流すことはないんじゃないの?
 私は真剣なのに、あんなに飄々とした態度で……。
 哀しみと怒りで、どうにかなりそうだった。
 一発殴ってやってもよかった……とさえ思っていた。
「……黒沢?」
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