かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「そっか」
 高野先生は、私の担任なので、向かう先の教室は一緒だ。
 ぐるぐると感情が渦巻いていて、先生に対してもつっけんどんになってしまう。
「そんな泣きながら、教室入るのか」
「だって、ひっく。ひいいいっく。他にどこへ行くと言うんです?」
「……そんなんじゃ、まともに授業も受けられないだろ。保健室に落ち着くまでいな」
「……いいの?」
「ああ……失恋ってのは、痛いからな。俺も解るよ」
 私はぐっと顔を上げ、先生に向かって吠えた。
「……失恋じゃないもん!」
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