かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 白くなりたい。
「黒沢」
 そんな私の視界に、にゅっと現れたのは、高野先生だった。
「わっ。びっくりした」
 私はそう言いながらも、大の字に寝転んだまま起きることはしなかった。
 失恋、と決めつけた先生に対しても、少し怒りを覚えていたからだ。
「1時間目、空き時間なんだ。だから様子見にきた」
「別にいいのに」
「まあ、そう言うな」
 先生はパイプ椅子を持ってきて、ベッド脇に腰掛けた。
「ごめんな。失恋なんて決めつけてさ。俺、まだ失恋引きずってたから」
「へえ。そうとう痛手だったんだね」
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