かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
先生は両手をあたまの後ろにやって、遠くを見る仕草をした。
「うん……学生の頃からのつきあいだったからな。結婚まで考えてた」
「フラれたの?」
「うん」
先生はそこでしばらく黙った。
遠くの方で、体育の授業のホイッスルの音や、生徒たちの声が聞こえてくる。
私もしばらく黙ったままだった。
高野先生みたいなおとなのひとの恋愛話には、正直興味があった。
けれど言いたくないようなら聞かないし、聞いてほしいようだったら喜んで聞く。
そう思っていたところ、ややあって先生が口を開き出した。
「……浮気されてさ。たった1回の浮気で、妊娠しちゃったらしくて。それで、その男と結婚するって。フラれた」
「うん……学生の頃からのつきあいだったからな。結婚まで考えてた」
「フラれたの?」
「うん」
先生はそこでしばらく黙った。
遠くの方で、体育の授業のホイッスルの音や、生徒たちの声が聞こえてくる。
私もしばらく黙ったままだった。
高野先生みたいなおとなのひとの恋愛話には、正直興味があった。
けれど言いたくないようなら聞かないし、聞いてほしいようだったら喜んで聞く。
そう思っていたところ、ややあって先生が口を開き出した。
「……浮気されてさ。たった1回の浮気で、妊娠しちゃったらしくて。それで、その男と結婚するって。フラれた」