かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 真っ直ぐな物言いだった。
 完全に私にフラグを立てたようだ。
 失恋話をし、唇まで奪った自信からくるものだろうか。
 どこか瞬に似たものを感じた。
 私はちょっとお疲れ気味だったので、有難く先生の車に乗ることにしたのだった。
 先生の車内は、さっぱりとしたものだった。
 仕事用なのか、鞄と、箱ティッシュが乗っているくらいだ。
 私は助手席の足許を探ってみる。
「――何をしている」
「元カノのピアスとか探ってるの」
「ははは。浮気相手を探ってるみたいだな。そんなのないよ、多分ね」
「このシート、彼女さんも座ってたんでしょう」
「そういうこと聞くか。そりゃそうだろ」
< 207 / 400 >

この作品をシェア

pagetop