かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 勉強はできる方だったけれど、うっかり選択してしまった物理教科で、私は珍しくテストが赤点だったのだ。
 まあ、夏休みと云っても、友だちと出かける予定もないし、彼氏もいない(恋愛休止中だ)。
 部活にも入っていないし、親が禁止しているからバイトもしていない。
 夏休みを持て余すだろうなと思っていたので、補講も悪くないかな、と思った。
「家、ここです」
「おう」
 先生は車を止めてくれ、去り際にまたキスされそうになったけど、そこはかわした。
 ぺこりと一礼すると、私は素早く家の中へと消えた。
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