かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
『物理学者っていってね、宇宙を研究しているひとがいるんだ。宇宙を全部数字で表すことができるんだって』
遠い昔に、祐太が私に話して聞かせてくれた言葉を思い出した。
宇宙に憧れていた祐太。
あの頃、私たちはどこまでも行ける気がした。
高い夏の空に、思いを馳せていた。
なのに、祐太だけその空に消えてしまった。
今、祐太が傍にいたら。
私はまだ、彼に恋をしていただろうか。
「柚実」
声がしてそちらを見ると、そこには純がいた。
ギターのハードケースを手にしている。
何で夏休みに入ったばかりなのに、純に出くわすのだろう。
私は現実に引き戻された気がした。
遠い昔に、祐太が私に話して聞かせてくれた言葉を思い出した。
宇宙に憧れていた祐太。
あの頃、私たちはどこまでも行ける気がした。
高い夏の空に、思いを馳せていた。
なのに、祐太だけその空に消えてしまった。
今、祐太が傍にいたら。
私はまだ、彼に恋をしていただろうか。
「柚実」
声がしてそちらを見ると、そこには純がいた。
ギターのハードケースを手にしている。
何で夏休みに入ったばかりなのに、純に出くわすのだろう。
私は現実に引き戻された気がした。