かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「また大きい波が来る――気をつけて」
「うわっ」
 私はまたも波に脚をとられ、今度は前のめりに倒れてしまった。
 先生は私を抱きとめようとしたのだけれども、水中の脚は自由が利かず、一緒に倒れてしまった。
 尻もちをついた先生の膝の上に私が跨る感じになる。
「うわ、びしょ濡れ。着替えもタオルもないのに」
「いいじゃん。共倒れ~。それ」
 私は両手で水をすくい、先生の顔にかけた。
「何する――もう!」
 先生も片手で水を私にかける。
 ああ、私、夏を謳歌している。
 最高に楽しい。
 普段の雑多なことを忘れられる――。
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