かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「純」
 気持ちの代わりに、私は彼の名を呼ぶ。
「純」
 彼は、なに? と私を見据える。
「純」
 科白を並べる代わりに、私は尚も名を口にする。
「なに」
 名を呼ぶだけで歓びを感じている私に気づいたようだ。
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