かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 彼女は満面の笑みを見せると、中学時代の同級生が、ここの高校に通ってたんですよ~と言いながら、お弁当の包みを持ちながら、他のその子がいるクラスへ行ったようだ。
 香花ちゃんが同じクラスに友だちができない、みたいなそんな懸念は空振りに終わったようだ。
 私が息をついていると、不意に声をかけられた。
「柚実」
 私の名前を呼ぶ声、歌う時はガラスボイスのくせ、普段は朴訥とした低い声。
 純だった。
 この間、そこにある唇と、私の唇が重なった。
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